1.構想計画策定事業
構想計画策定事業は、地区や個別商店街の活性化の方向について、「ビジョン」や「プラン」を策定する事業です。
「ビジョン」では、商業者、行政、地域住民などの関係者が、地区や個別商店街の将来における望ましいイメージを共有化し、目標設定を行います。また「プラン」では、この目標に向けて役割分担を行い、それぞれの行動計画を立案します。
活性化のためのビジョン・プランでは、各地区、商業集積、個別商店街の経営理念やコンセプトを明確にする必要があります。コンセプトとは、その商店街が対象とする顧客ターゲット、提供する商品・サービス、および商品・サービスの提供方法についてその商店街独自のやり方などを導き出すものです。この際に、個別商店街のコンセプトが、まちのコンセプトと一体化し、調和していることが望ましいのはいうまでもありません。
この事業は、地区・商店街活性化の方向を決定し、他の事業のおおもととなる点で、大変重要な事業です。
2.マネジメント事業
「マネジメント」という言葉は、通常、企業などにおける経営、管理、統制などを意味します。商店街の場合でも、個店が集まった「商店街」という一つの組織を、商店街自身で経営・管理し、様々な事業を実施する際にこれを統制していくことが必要です。つまり「商店街マネジメント」は、「商店街を組織として適切に経営管理・統制していくこと」であるといえます。
この項目でとりあげる「マネジメント事業」では、上記のような商店街の経営・管理・統制能力を高める方策を検討します。「事業1:構想計画策定事業」で明らかにした商店街としての主張・コンセプトに従ってハード整備・ソフト運営などの各種事業を円滑に実施するため、この「マネジメント事業」で、商店街自身が商店街のコントロールを十分に行えるようルールを定めておくというわけです。
3.イメージアップ事業
イメージアップ事業は、商店街のイメージを内外にピーアールし、イメージを向上させていこうという事業です。そのために、まずまちの資源や個性を再考し、テーマを決定します。そして、まちとして主張したいテーマを、ハード整備、ソフト運営(イベントの開催・ピーアール事業など)、個店の活性化などすべての活性化活動を行う中で、統一的に訴えていきます。
ハード整備などを通じた「見た目のイメージアップ」だけではなく、まちの成長の方向性そのものを明確にし、テーマに沿った新しいまちをつくっていこうというのが、この「イメージアップ事業」の本質的な意義であるといえます。
4.新陳代謝促進事業
新陳代謝促進事業とは、時代の流れや商店街自身のコンセプトに応じて、店舗の入れ替えを活発に行うため、その仕組みを構築する事業です。
他の事業との関連でいうと、例えば「事業1 構想計画策定事業」で商店街のコンセプトを明らかにし、これを実現するため、「事業2 マネジメント事業」で、商店街で行うさまざまな事業のルールを定め、運営を完全にコントロールする方法を探ります。そしてさらに、「店揃え」という商店街の最も基本的な部分について、円滑に店舗入れ替えを行う仕組みを整備し、商店街のコンセプトを具体化しようとするのが、この「新陳代謝促進事業」です。
この事業を実施する意義は、商店街に、意欲と活気にあふれる魅力的な店舗を常に配置し、商店街全体の魅力向上と活力の維持を図るところにあります。
5.空き店舗活用事業
空き店舗活用事業は、商店街の中に発生した空き店舗を放置することなく、空きスペースを活用して、従来は商店街になかった新しい機能を付加することにより、新たな魅力を与えていこうとするものです。
具体的な活用の方法としては、チャレンジショップ、ギャラリーなどのイベント開催場所としての活用のほか、組合がスペースを手に入れて託児所等を経営する「直営活用」、まちづくりセンターやSOHOなどにスペースを転貸して間接的な活用を行う「転貸活用」などがあります。
6.共同リニューアル事業
店舗のリニューアルとは、老朽化した建物を改築することだけを意味するのではありません。物理的な老朽化に加えて、店舗内容の陳腐化などを防ぐために、店舗のコンセプトを練り直し、望ましいテナントミックス、マーチャンダイジング戦略、経営組織の活性化に至るまで、店舗のすべてを検討しなおし、新しくすることを指しています。「共同リニューアル事業」では、共同店舗などにおいて、こうした改装を共同で実施します。
通常、店舗の場合は5年程度のリニューアルが必要であるといわれます。このように頻繁にリニューアルを実施する理由は、この事業が、店舗の施設・雰囲気・商品構成を一新することにより、顧客に新鮮なイメージを与え、興味を抱かせるという意義をもっているためです。
この際に、売上高が減少し、空き店舗が多数発生している共同店舗等では、新しいテナントを誘致することを検討します。誘致の対象は、一般の店舗にのみこだわるのではなく、たとえば「託児所」などコミュニティ機能の向上に役立つ店舗以外の施設を導入することも考えられます。
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7.店舗共同化事業
店舗共同化事業では、地域商業者が店舗施設を一つにし、共同で店舗を開発することで、より魅力ある店舗をつくりあげようという事業です。
一般的に「共同店舗」は、主に地域の小売業者が主体となり、かつ主導して共同の店舗を開発するものです。複数の店舗が共同で店舗を開発することにより、個店では資金調達・労力の面で達成が難しかった店舗の規模・魅力度の向上が図れ、ワンストップショッピングの実現、計画的・効果的な販売促進、経営能力の向上を図ることが可能となります。
8.情報発信事業
情報発信事業では、商店街の活動や地域の情報を内外に広く発信し、商店街や地域の知名度向上、集客力の向上を図ります。
情報発信の方法はいろいろなものが考えられます。例としては、名店の発掘や逸品の開発を行い売り出していく「一店逸品運動」の展開、あるいはテレビ、ラジオを活用したり、各種タウン誌、商店街情報誌を発行したりするなどといった方法があるでしょう。
9.商店街情報化事業
商店街情報化推進事業は、情報発信事業のIT化である「インターネットを用いた情報発信事業」と、「ITを活用した顧客管理事業」の2本柱からなっています。
情報発信事業では、商店街のホームページを通じて、「商店街」と「まち」に関する地域密着型の情報を広く発信することにより、広告・宣伝を行います。商店街に関する情報だけでなく、まちに関連する情報を発信することで、商店街の情報発信能力を高めるとともに、地域における商店街の存在意義を高めます。
顧客管理事業では、商店街で導入されている多機能カード等の情報を活用し、来街客の購買動向や特性などに関する分析を行い、その結果に応じた販売促進活動を展開します。これにより、顧客の固定化、集客費用の削減、販売促進費用の効率化を図り、商店街の営業活動を強化します。
10.共同宅配・受発注事業
共同宅配・受発注事業は、商店街が共同で宅配サービスや、受発注業務に取り組む事業です。電話やファックスを通じた各家庭からの注文に応じたり、商品の自宅お届けサービスを行ったりすることは、商店街でも従来から個店単位で実施されてきました。これを、「事業」として商店街全体で実施することにより、受発注の事務処理・配送などに関する作業効率を向上し、全体としてコスト削減を図ります。
商店街が共同で宅配サービス等を実施することにより、地域の住民が自宅に居ながらにして必要な買物をすべて済ませることが可能となります。特に多忙な主婦や交通弱者である高齢者等に対して、サービスの向上を図ることが可能となります。
また、ファックスやインターネット等を通じて共同受注を行うことにより、商店街も「ワンストップショッピング」「買物時間の短縮化」というサービスを提供できるようになります。こうした点は、従来は、商店街の弱点とされてきましたが、本事業の推進により、地域住民の商店街離れに歯止めをかけることも期待できます。
11.繁盛店創出事業
繁盛店創出事業は、各個店の抱える経営上の問題に対して、専門家が一定期間徹底的な指導を行って直接的な問題解決を図り、その個店を繁盛店に育てあげようという事業です。商店街の活性化の基本は、まず各個店が経営努力を行いそれぞれに繁盛することですので、こうした事業の実施を通じ、商店街で実際に繁盛している名店を1つでも多く創出します。
繁盛店創出事業は、自分の店を良くすることに意欲的な商業者に対し、専門家の支援を受けて活性化するきっかけを与えます。さらに、周囲の繁盛ぶりに刺激を受けて、商店街の他の店舗も活性化への意欲を高め、次の繁盛店を目指していくという良い循環をつくりだすことがこの事業の主な目的です。
12.コミュニティ創出事業
コミュニティ創出事業は商店街等の地域商業が、様々な形でまちのコミュニティ機能(人と人との交流、地域のつながり)創出に貢献することにより、地域商業の存在感を高め、「まちの活性化」に欠かせない存在として位置付けられることを目的とします。
事業の具体的な内容としては、善意のやりとりである「エコマネー」の導入、ミニコミ誌の発行、地元住民向けの各種講習会開催などが考えられます。
13.共生型社会創出事業
共生型社会創出事業とは、障害の有無や年齢、性別、国籍等にかかわりなく、全ての人が共に、等しく生きていくことのできる社会を創出しようという事業です。
具体的に商店街が実施できる対応としては、商店街での高齢者の優遇、給食・配食のサービス実施、ユニバーサルデザイン・バリアフリーの積極的な導入、案内・商品の外国語表示、車椅子の体験会実施、などの活動が考えられます。
14.まちづくり推進活動
まちづくり推進活動とは、まちの活性化と、まちの魅力の向上による商業集積の活性化を狙い、住民と商業者がともに行う一連のまちづくり活動のことを指します。また、特に商業活性化の観点からは、まちづくり活動を商業が備えるべき附加機能であるコミュニティ機能の強化と理解することが必要です。
まちづくり推進活動の意義は、まちの活性化が商業の活性化に与える効果だけではなく、今後、地域商業が生き残る際に求められる、地域貢献の実践でもあります。
また、まちづくり活動の推進によって、商業者には住民との交流の機会が増え、結果として消費者の生活や価値観を知ることができるため、自然とマーケティング活動が実施できるというメリットがあります。
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